BLOGブログ

折れない心は鋼のメンタルではなく「しなやかさ」で作る

折れない心は鋼のメンタルではなく「しなやかさ」で作る

「もっとメンタルを強くしなきゃ」 「少しくらいのことで動じない、鋼の心が欲しい」

そう思って、自分を鼓舞し続けていませんか? かつての私も、まさにそうでした。「弱くてはいけない」と自分を律し、鋼のような硬いメンタルこそが正解だと信じていたのです。

今日は、そんな私が経験した「心の挫折」と、そこから学んだ「竹のようなしなやかさ」についてお話しします。

「メンタルの弱さは悪」だと思っていた頃

以前の私は、「心を強くする」とは、**「弱音を吐かないこと」や「どんなプレッシャーにも耐え抜くこと」**だと思っていました。

自分の周りに分厚い鋼の壁を作り、外からの衝撃をすべて跳ね返そうとしていたのです。辛いことがあっても顔に出さず、歯を食いしばって耐える。それが大人であり、プロフェッショナルな姿だと思い込んでいました。

しかし、現実は残酷でした。
度重なる仕事のトラブル、そして逃げ場のない人間関係の摩擦。ある日、積み重なった負荷が限界を超えた瞬間、私の心は音を立てて折れてしまったのです。

「もう、1ミリも動けない……」

鋼は硬ければ硬いほど、限界を超えた瞬間に粉々に砕け散ります。一度砕けてしまった心を持ち直すのは、想像を絶するほど苦しい作業でした。

絶望の中で見つけた「竹」という生き方

動けなくなった日々の中で、私は自分に問い続けました。「本当の強さって、何だろう?」と。
その答えを教えてくれたのは、風に揺れる竹の姿でした。

竹は、嵐が来れば地面につきそうなほど大きく曲がります。でも、決して折れることはありません。風が止めば、何事もなかったかのように、またスッと元の空を指して立ち上がるのです。

「私は風を押し返そうとして自滅した。でも、竹は風を受け流して生きているんだ」

この気づきこそが、私のメンタルコーチングの原点となりました。

鋼(はがね)vs 竹(たけ):どちらが本当に強い?

【鋼(はがね)の心】
・ストレスへの反応:正面からぶつかって耐える
・限界が来ると:突然、ポキッと折れる
・思考のクセ:「〜すべき」「絶対こうだ」
・強さの正体:硬さ(頑固さ)

【しなやかな(竹)心】
・ストレスへの反応:力を逃がして受け流す
・限界が来ると:しなり、嵐が去るのを待つ
・思考のクセ:「まあ、そんな時もある」
・強さの正体:柔軟性(適応力)

今のあなたの心は、どちらの状態に近いでしょうか?
「強くなろう」として心を硬く閉ざすのではなく、形を変えながらも「戻れること」。この柔軟性こそが、現代を生き抜くための真の強さなのです。

レジリエンス(回復力)と受け流し

この「戻る力」を、心理学ではレジリエンスと呼びます。これを身につけるコツは、あえて正面から戦わない「受け流しの美学」にあります。

「まともに受けない」という知性: 批判やストレスをすべて自分への攻撃と捉えず、「それは一つの意見だな」と横に流す。これは逃げではなく、自分を守るための賢い選択です。

嵐の中で「あえて、しなる」潔さ: 「弱音を吐いてはいけない」という鎧を脱ぎ、今はしんどい時期だと認めてしまう。その潔さが、あなたを再生へと向かわせます。

今日からできる、心をしならせる「3つの術」

1.【受け止める】感情のラベリング
モヤモヤしたら「あ、今自分は不安なんだな」と名前をつけるだけ。正体がわかれば、心の嵐は静まり始めます。

2.【しならせる】視点の切り替え
竹の「節(ふし)」は、折れずに伸びるための支えです。今の苦しみも、あなたという竹が強く育つための「新しい節」になります。

3.【戻る】ニュートラル・ポジション
深呼吸をする、好きな音楽を聴く。自分を元の状態に引き戻す「根っこ」のような習慣を大切にしてください。

最後に:戻ってこれた自分に花束を

「弱くてはいけない」と自分を追い込んできたあなたは、これまで本当によく頑張ってきました。

これからは、完璧にできない自分を責めるのはおしまいです。
ストレスの風に気づけた自分に感謝し、少しでもしなろうとした自分に拍手を送りましょう。

そして、嵐に揺さぶられながらも、今こうして前を向こうとしているあなた自身に、心からの花束を贈ってあげてください。

折れないことよりも、何度でもしなり、何度でも戻ってくる。
そんな「しなやかな強さ」を、一緒に育てていきましょう。

SHARE!

BLOG TOP